社民党

博治から 博治へ ―その4

2017年02月03日

 沖縄の桜は、ヤマトに多いソメイヨシノとは全然違う。寒緋桜(カンピザクラ)とか緋寒桜(ヒカンザクラ)と呼ばれる。
 正月も中旬になると、名護市、本部町、今帰仁村などで盛大に桜まつりが挙行される。今年も例年のごとく「一足お先に」とばかりに、2月上旬まで桜まつりがおこなわれている。
 だが、辺野古新基地反対闘争の現場で闘う市民や、不当逮捕で異常な長期勾留下に置かれ、独居房暮らしを強いられている山城博治に桜の花便りは届かない。

 その山城博治に、昨日(2月2日)15時から約1時間接見した。
 今年に入って、週に1度は博治と接見しているが、先週の接見時と変わらず健康状態は良好だ。食欲もあり、睡眠も十分にとっている。公判開始にそなえ、独居房でも意識的に体を動かしているようだ。
 博治からも「風邪をひかぬよう、うがいを心がけている。先週以降、好みの飲み物も妻が差し入れてくれている」と報告があった。

 私の方からは、1月31日と2月1日にアムネスティ・インターナショナル日本の活動部門チーフ山口薫さん、事務局長の若林秀樹さんが私の国会事務所に来室し、博治の釈放要求運動について意見交換したこと、その釈放要求書の内容などについて伝えた。
 博治も独居房の中で地元紙を読んでおり、概要は知っていた。「心強い、励みになる。『国家権力に屈せずに頑張る!』と照屋さんから伝えてくれ」とのことだった。
 アムネスティ・インターナショナルの皆さん、今後も博治釈放の日まで共に頑張りましょう。

 昨日の接見の際、博治が感涙にむせびながら話したのは、私と博治の共通の友人である辛淑玉さんのことであった。
 在京地上波のローカルテレビ局・東京MXの番組「ニュース女子」が、辺野古新基地や高江の米軍ヘリパッド建設に反対する市民をテロリストに例えたり、「日当」をもらっているなどと虚偽の中傷をしたうえで、反ヘイト市民団体「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉さんの人権を著しく侵害し、差別的侮辱、罵詈雑言を浴びせている。断じて許せない。

 博治も、東京MX「ニュース女子」をめぐる問題について、地元紙を通じて知っていた。1月27日の東京での辛淑玉さんらの記者会見、沖縄での池宮城弁護士、作家・目取真俊氏らの記者会見の様子も知っていた。
 博治は「地元紙に掲載された辛淑玉さんの手記を読んで感動した。心の底から共感した。辛淑玉さんの言説に勇気を得た」と声を詰まらせ、涙をぬぐいながら「照屋さん、僕の気持ちを辛淑玉さんやのりこえねっと、支援する市民に伝えてください」と頼んできた。

 その他博治とは、弁護団からの報告で第一回公判が3月17日に内定したこと、公判に臨む態度、現下の差し入れ・宅下げの状況など詳細にわたって話し合った。

 博治との接見を終え、帰宅すべく秘書の運転する車に乗り込んだ。拘置所を出て、裁判所正面に至ると、博治の釈放を求めるプラカードを持ってサイレント・アピール中の5~6人のオバサンたちが目に飛び込んできた。
 直ちに車を降りて事情を聞くと、那覇市内に暮らす市民であるという。たった今博治と接見してきたことを伝え、「次の接見時に皆さんの行動を必ず博治に伝える」と約束した。

博治から 博治へ ―その4
博治の早期釈放を求めて行動する勇気あるオバサンたちと=2日午後、那覇地裁前

 国家権力むき出しの悪質で異常な長期勾留に異議を唱え、早期釈放を求める運動は、市民レベルでも確実に広がり、博治に大きな勇気を与えていてる。
 いや博治だけでない。私も、名も知らぬオバサンたちの勇気ある行動に励まされた一人だ。

2月3日

Posted by terukan at 12:44
このページの上へ▲