護衛艦「たちかぜ」いじめ自殺事件 上告なく確定
海上自衛隊護衛艦「たちかぜ」乗組員の1等海士(当時21歳)が、上官の2等海曹からいじめ、暴行、恐喝等で自殺に追い込まれた事件で、去る4月23日東京高裁が被告(被控訴人)国に対して約7,330万円の支払いを命じた判決が、上告期限(7日)までに国側の上告がなく確定した。
東京高裁の控訴審判決要旨、弁護団声明、一審横浜地裁判決からの裁判経緯については、私の4月23日付ブログに書き綴ったので重複は避けたい(
同日付のブログをご覧下さい)。
私は、4月23日の東京高裁判決後の報告集会で「国(防衛省)は、高裁判決を重く受け止め上告を断念し、しかる後に防衛大臣がご遺族に直接面会のうえ謝罪すべきである。同時に、今後自衛隊内におけるいじめ等人権侵害の根絶に努力を尽くすべきだ。更に、護衛艦『たちかぜ』裁判の過程で海自が意図的に艦内生活実態アンケートを隠匿していた事を公益通報(内部告発)した3等海佐を懲戒処分することがないように…」と発言した。
4月23日、高裁判決後の報告集会=衆議院第1議員会館
私は、衆議院議員として護衛艦「たちかぜ」のいじめ自殺事件を安保委員会で追及し、弁護団の一員として10年間裁判を見守ってきた。
その間、ご遺族を激励し、同様の事件の護衛艦「さわぎり」のご遺族(福岡高裁で全面勝訴。自衛官人権裁判の理論的支柱となる判例を確率)、支援団体の皆さんと交流を続けてきた。
今回の国側の上告断念、判決確定は当然のこととして、今後の自衛隊におけるいじめ根絶や自衛官の人権確立、オンブズマン制度の導入、集団的自衛権行使容認反対の国会内外の活動を続けていきたい、と決意した。
ご遺族の皆さん、弁護団、支援のみなさん、ご苦労さま。
被害者の母親をねぎらう
5月8日 10時30分