社民党

卑劣な米兵の性犯罪を糾す

2016年03月15日

 またもや、またもや凶悪卑劣な米兵による性犯罪が発生した。容疑者米兵に対する強い怒り、被害女性の心痛に胸が張り裂ける思いだ。

 事件は、去る3月13日の未明から早朝までの間に、那覇市内のビジネスホテルで発生した。
 逮捕された加害者の容疑者米兵はキャンプ・シュワブ所属のジャスティン・カステラノス海軍一等水兵。被害者は観光旅行で沖縄にやってきた40代女性である。

卑劣な米兵の性犯罪を糾す
凶悪事件を報じる3月15日付地元二紙

 地元二紙が報じるところによると、事件概要は以下のとおりだ。
 被害女性は一緒に沖縄観光に来た知人と自室にいたが、途中で飲み物を買いに部屋を出たところ、鍵を忘れてしまった。オートロックのため、戻った際に入室できず、知人に電話したが出なかった。どうやら眠ってしまったようなので、やむなく廊下で眠ってしまった。
 同じ階の部屋を執っていたカステラノス容疑者は、廊下で被害女性を発見し、抱きかかえて自室に連れ込んだうえで犯行に及んだとみられる。
 午前4時ごろ、知人男性が女性の悲鳴を聞き、カステラノス容疑者の部屋のドアを叩くと、容疑者が現れ、被害女性も部屋にいたという。男性が被害女性を保護し、自室で事情を聴いている間に、カステラノス容疑者はホテルの外に出たようだ。
 しかし、午前5時45分ごろホテルに戻ったところを、通報を受け駆け付けた那覇署員が職務質問し、任意同行した。同署に戻って容疑を慎重に固め、約4時間後に緊急逮捕したという。

 膨大な米軍基地が存在し、2万人余の米兵が駐留する沖縄では、今回のような米軍人・軍属による女性(子供を含む)に対する悪質極まりない性暴力、性犯罪が何度も繰り返されてきた。
 そのたびに、ウチナーとウチナーンチュは怒り、女性や子供の尊厳と人権を守れ、と日米両政府に訴えてきた。米兵による許しがたい蛮行(性犯罪)が惹起されるたびに、県民大会を開催して抗議してきた。
 そのときだけは、在沖米軍や外務省・防衛省は県民向けに「綱紀粛正」や「再発防止」を約束する。だが、実効性を伴わない弥縫策であるため、凶悪犯罪はまた繰り返されるのだ。怒り心頭、腹の底からワジワジーする。

 今回の事件発生を受け、翁長知事はただちに在沖米4軍トップのローレンス・ニコルソン第3海兵遠征軍司令官に対し、「女性の人権を蹂躙する重大な犯罪であり、強い憤りを覚える」「戦後70年、沖縄は悲惨な事件・事故に耐えながら日米安保体制を支えてきた。子や孫に対する責任があり、絶対に許せない」などと抗議している。

 翁長知事の怒りは当然だ。140万県民が知事と同じ思いだ。昨年9月、国連人権委員会で翁長知事が訴えたように「沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされている」

 今回の事件でもわかるように、最近は米軍人・軍属による凶悪犯罪が基地の集中する沖縄本島中北部のみならず、県都那覇市内でも多発している。上官らの監視の目を逃れて羽を伸ばすため、那覇まで足を延ばしているためだ。
 過密で狭隘な沖縄のどこに居ても、米軍基地あるが故の事件・事故が途絶えることはない。駐留米軍の撤退なくして、米兵犯罪の根絶などあり得ない。

 今回、被害女性は観光目的で沖縄にやってきて悲惨な犯罪に遭っている。悲しいし、ワジワジーが収まらない。想像しただけで、はらわたが煮えくり返る。
 
 観光産業は平和があってこそ成り立つ「平和産業」だ。米軍基地と観光は本質的に両立しないのである。共存できるわけがない。

 カステラノス容疑者は今のところ、容疑を否認しているようだが、沖縄県警と検察庁には厳正な捜査を望むものである。

 沖縄の日常では、わが国の主権をないがしろにする不平等・不公平な日米地位協定によって、米軍人・軍属は手厚く保護され、さまざまな特権を与えられている。
 今回の事件は、容疑者米兵の非番中(公務外)に惹起され、ホテル(基地外)で身柄確保(任意同行)のうえ緊急逮捕されたため、わが国の警察権、司法権が十全に行使される。
 しかし、これが公務中であったり、容疑者米兵が基地内に逃げ込んでいたならば日米地協定上、警察権、司法権は及ばず「手も足も出ない」のだ。

 私は国会議員になって20年余、日米地位協定の全面改正が実現しない限り、ウチナーンチュ(いや、ヤマトの方々も含む日本国民)の人間としての尊厳(人権)は守れない、と訴えてきた。悲願達成まで、これからも日米両政府を相手に叫び、訴え続けていきたい。

 今回の事件もそうだが、いかなる性犯罪であれ、被害者には一点の落ち度もない。被害者を責めることはいささかもあってはならない。 
 
 準強姦罪は強姦罪同様、親告罪(被害者の告訴がなければ起訴されない)であるため、泣き寝入りする人も多い。私は、告訴に踏み切った被害女性の勇気を讃えたい。 
 
 今、私たちがすべきは被害女性に寄り添って、力になってあげることだけだ。国会議員としての私の責務でもある。

3月15日18:00

Posted by terukan at 20:10
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