社民党

安倍総理の「未来」と沖縄の「未来」―所信表明演説

2016年09月27日

 第192回国会(臨時会)が昨日(9月26日)開会された。
 私は、昨日の衆議院本会議場における安倍総理の所信表明演説を聞いて、暗澹たる気分に陥った。

 今日の朝刊各紙が報じているように、安倍総理は所信表明演説の中で「未来」「世界一」という言葉を何度も絶叫した。
 演説は、この二つのキーワードを声高に総理が叫ぶ度に、私にも国民の心にも響かない、空疎なものになったように思えた。

 安倍総理は、わが国の「未来」を切り拓く「未来への投資」、一億総活躍の「未来」、農林水産業の「未来」に挑戦、沖縄の「未来」を切り拓く―などと演説した。
 毎日新聞・松本晃記者の署名記事によると、「未来」という言葉を18回、「世界一」を8回使用したらしい。(私は、呆れて数えていない)

 安倍総理は昨日の所信表明演説で、注目されている辺野古への新基地建設について一言も触れていない。

 米海兵隊が戦争をするためだけの巨大新基地であって、建設が沖縄の「未来」を奪うものであることを総理がようやく認識したのだろうか、と一瞬善解せんとしたが、本音はそうであるはずもない。
 その証拠に「沖縄の基地負担軽減に全力を尽くします」と嘯きながら、東村高江における米軍ヘリパッド建設を「先送り」せずに「確実に結果を出す」と述べている。

 安倍総理は、沖縄の未来を切り拓く、と豪語するが、現実は真逆だ。政権のつまらない意地と米国への見栄のために、国家権力を総動員して、沖縄の未来を奪っている、のが現状である。 「世界一」の生態系を誇るヤンバルの森を破壊し、「世界一」危険な米軍ヘリパッドを建設せんと躍起になっているだけだ。いや、「躍起」では表現し尽くせぬ、違法・無法な乱暴狼藉をはたらいている。

 安倍総理が拓く言い張る「沖縄の未来」の先に見えるのは、沖縄の自破壊、ウチナーンチュの人間としの尊厳の破壊、沖縄戦の悲劇を繰り返す愚かな戦争への道―である。
 安倍総理に「沖縄の未来」を切り拓いてほしいとは思わない。頼みもしないし、期待もしない、というのが、私を含めた圧倒的多数のウチナーンチュの思いだ。

 ウチナーンチュの自己決定権に基づき、「ウチナーの未来は、ウチナーンチュが決める!」

 私は、1995年参議院初当選いらいの自身の政治信念、キャッチフレーズに根ざし、これからも国会内外で安倍政権と対峙していく。


 9月27日 17:00


Posted by terukan at 16:36
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