社民党

空から米軍ヘリが降ってくる―沖縄の不条理と怒り―

2018年01月11日

 1961年9月公開の映画に「南の島に雪が降る」がある。
 同映画は、俳優加東大介の従軍体験を基にしたもので、映画かテレビで観たような記憶がある。古い記憶で映画の内容は定かではないが、題名だけは強烈に印象に残っている。

 さて、2018年の新年早々に沖縄では「空から米軍ヘリが降ってくる」不条理が続いている。
 
 1月6日には、米軍普天間飛行場所属のUH1Y多用途ヘリが、私の住むうるま市伊計の海岸に不時着した。不時着現場は集落民家に近く、現場近くの海は漁場であり、日頃は住民が憩う恵みの海である。許せん。

 1月8日は私の後援会新年会の日であった。この日、米軍普天間飛行場所属のAH1Z攻撃ヘリが、読谷村儀間の廃棄物最終処分場敷地内に不時着した。現場近くにはホテル日航アリビラがあり、民家も多い。2020年開業予定のホテルにも隣接している。
 不時着とはいえ、ちょっと間違えれば大惨事に発展する大事故だ。

 沖縄では、一昨年12月のオスプレイ墜落炎上、昨年10月のCH53Eヘリの墜落炎上、昨年12月には保育園や小学校運動場へのヘリ部品落下事故が相次いでおり、非常事態(いや戦争の事態か)下の日常を強いられている。今や多くの県民が言葉を失うほどの怒りをいだいている。

 沖縄は、日米両政府の軍事植民地ではない。沖縄の空を米軍機を飛ばすな!というのが県民の素直な思いである。

 読谷村に「不時着」した同型同種のヘリは、翌1月9日から飛行を再開している。沖縄県や不時着の現場となった当該自治体、平和団体等が「事故原因の究明と情報開示」「米軍機の全機運用停止」を強く求めている中で、それらの声を無視しての飛行再開は許せない。

 私たち県選出野党国会議員「うりずんの会」は1月10日、外務・防衛両省に抗議・申し入れをおこなった。末尾に申し入れ書を添付する。

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防衛大臣 小野寺 五典 殿
外務大臣 河野 太郎 殿

相次ぐ米軍ヘリ不時着に抗議し、在沖全米軍機の飛行停止等を求める申し入れ

 危ないものは飛ばさない―。実に当たり前のことだ。それすら守られていないのが今日の沖縄である。
 去る1月6日、うるま市伊計島の海岸に米軍普天間基地所属のUHIヘリが、8日には読谷村の行政事務組合敷地内に同基地所属のAH1Z攻撃ヘリが、相次いで不時着した。
3連休の間に2度も米軍ヘリが不時着するのは、異常事態を超えた非常事態としか言いようがない。昨年来、毎週のように続発している米軍機の墜落・不時着事故や部品落下を深刻に受け止めず、米軍を野放しにし、飛行再開を容認し続けてきた政府が招いた緊急事態である。
沖縄では、整備不良の米軍機が県民の頭上を好き勝手に飛び交っている。異常事態が常態化しているのである。かかる状況をこれ以上放置すれば、近い将来、人命にかかわる事故が発生するのは目に見えている。その自覚すらなく、米軍の運用に目をつむり、県民を危険にさらし続ける政府に、もはやこの国の安全保障政策を語る資格はない。
この期に及んで不時着を「予防着陸」「緊急着陸」と言い張るような態度をとれば、県民の怒りの火にさらなる油を注ぐだけである。今や米軍に対する県民感情は憎悪にまみれている。事態はそれほどまでに緊迫していることを日米両政府は知るべきだ。
危ないものを飛ばすな―。その地に暮らす人々の肌感覚を無視すれば、いずれ人命を脅かす大惨事を招くことになる。
以上、140万県民の怒りの代弁者として厳しく抗議し、警告する。政府には、在沖米軍基地所属全軍用機の飛行運用停止及び一切の外来機の飛来禁止を直ちに米軍に要求し、実現させるよう強く求めるものである。

2018年1月10日 沖縄県選出国会議員
衆議院議員 照屋 寛徳衆議院議員 赤嶺 政賢
衆議院議員 玉城 デニー参議院議員 糸数 慶子
参議院議員 伊波 洋一
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空から米軍ヘリが降ってくる―沖縄の不条理と怒り―
岡本外務政務官、大野防衛政務官に申し入れ=1月10日午後、外務省・防衛省
空から米軍ヘリが降ってくる―沖縄の不条理と怒り―


1月11日14:00 

Posted by terukan at 15:23
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