社民党

安倍総理の「積極的平和主義」を批判する

2013年09月28日

 作家の城山三郎氏は、自らの少年兵としての体験を通して。「戦争はすべてを失わせる。戦争で得たものは憲法だけだ」と日頃から語っていた、とわが〝心友〟佐高 信(評論家)は証言し、多くの著書に書いている。

 たしかに、日本人は去る大戦で約2000万人の近隣諸国民を殺し、310万人もの日本人を犠牲にした。悲惨な沖縄戦では20万余の者が尊い命を失っている。それらの反省のうえに日本国憲法は成立した。

 憲法は第9条で「戦争の放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否定」を謳っている。同時に、憲法前文において平和的生存権を規定しており、日本国憲法は間違いなく「積極的平和主義」の精神である。

 ところが、去る9月26日(日本時間)ニューヨークで講演した安倍総理が、集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の見直し目的を、「世界の平和と安定に、より積極的に貢献する国になる。積極的平和主義の国にしようと決意している」と語ったようだ。

 共同通信の配信による新聞各紙を読んで、一体安倍総理が考える「積極的平和主義」とはどんな内容なのか、質してみたくなった。いや、安倍総理は「積極的平和主義」の真の意味を知らないのかもしれない。

 その証拠に、9月25日の同行記者団との会見では、集団的自衛権の行使を容認した場合、行使するかどうかの政策判断を地理的概念ではなく、国民の生命、財産、国益の確保を前提に検討する考えを示している。

 つまり、集団的自衛権行使容認により、「地球の裏側」でも活動を容認しようとの考えだ。
 これでは憲法第9条の「積極的平和主義」を破壊せんとするものだ。

 安倍総理に「積極的平和主義」を口にする資格はない。

 9月28日

Posted by terukan at 18:04
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