社民党

「アンネの日記」本を破いても歴史の記憶は消せない

2014年02月28日

 東京や横浜などの公立図書館で、ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害を象徴するユダヤ人少女アンネ・フランクがつづった「アンネの日記」とその関連本が大量に破損される事件が相次いでいる。被害に遭った図書館は40、被害冊数は310冊に及び、被害は図書館だけでなく、大型書店にまで及んでいる。
 容疑者が特定されず、単独犯なのか複数犯なのか、その動機についても現段階では不明である。
 ただ、いかなる理由であれ、図書館の蔵書を故意に破損する行為は許されない。警察は、一刻も早く犯人を特定し、逮捕のうえ、犯行の動機や背景について解明すべきである。

 言うまでもなく著書は、知的・文化的財産である。すでに、今回の事件は日本の「右傾化」との関連、最近のレイシズムに基づくヘイトスピーチ等の排外主義、差別主義、憲法改悪の動きとも関連して、海外からの強い批判が寄せられている。
 たしかにかつて日本はナチス・ドイツと同盟関係にあった。今回の事件の動機にユダヤ人虐殺、南京虐殺を否定する歴史修正主義が潜んでいるとすると大問題だ。

 ともあれ、「アンネの日記」や関連本の故意による破損は、思想・表現の自由に対する重大な侵害行為である。
 一方、同事件に関し、在日イスラエル大使館には、一般市民から千件を超える励ましや謝罪の電話やメール、手紙が届いているという。
 犯人は、「アンネの日記」や関連本を破損しても、ナチスによるユダヤ人迫害の歴史の記憶は消せない、と知るべきだ。

2月28日 13時40分

Posted by terukan at 13:43
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