社民党

「沖縄、そして日本の未来を拓く判断を」-翁長知事の訴え

2015年12月04日

 国が沖縄県の翁長知事(被告)を訴えた「代執行」裁判の第一回口頭弁論が12月2日に開かれた。

 地元二紙がその詳細を、全国紙も社説その他で報じており、全国的に、いや国際社会でも大注目を浴びている。

 この「代執行」裁判の第一回口頭弁論について県選出国会議員コメントを地元紙から求められ、次のように答えた。
 「安倍内閣によるアベコベ裁判だ。翁長知事の意見陳述は沖縄の歴史と戦後の米軍基地形成過程の事実を踏まえたものだ。理路整然とした訴えに感動した。国の訴えは却下か棄却すべきだ。裁かれるは安倍内閣だ」-と。

 その日の開廷前に、翁長知事を激励する「オール沖縄」の市民集会があった。私も「激励集会」実行委の共同代表の一人として参加した。集会には2,000人超の市民が結集した。

 私はあいさつで「43年間弁護士をしているが、かくも多くの市民が結集し、(被告を)激励する集会を初めて現認した。おそらく沖縄の近現代史の中で初めてで、歴史に刻まれる日となった。国の提訴は不法・不当だ。訴権の濫用であり、違憲である」などと語った。

 集会後半に翁長知事も登場し「県民への思いを胸に、しっかりと沖縄の主張をする」と力強く述べた。知事の決意表明に、結集した2,000人の市民が大きな拍手と「翁長知事ガンバレ」の大声援を送っていた。

 32枚の一般傍聴券に611人の希望者が並び、私など望んでも残念ながら傍聴できなかった。

「沖縄、そして日本の未来を拓く判断を」-翁長知事の訴え
12月3日付沖縄タイムス・琉球新報

 第1回口頭弁論における翁長知事の意見陳述全文は12月3日付の地元二紙に掲載されている。
 翁長知事の意見陳述は、琉球王朝いらいの歴史を踏まえ、今なおこの国の政治の中で県民の「自由・平等・人権・自己決定権がないがしろにされている」と告発し、この国の民主主義、地方自治とは何か、と鋭く国民に問いかけた。

 知事は「沖縄は基地で食べている」「振興策による大金をもらっていながら甘えるな」などの沖縄に対する誤解、曲解に具体的な数字をもって反論し、「沖縄が日本に甘えているのか、日本が沖縄に甘えているのか。ここを無視して沖縄問題の解決はできない」と断言した。
 そのうえで「日本には本当に地方自治や民主主義は存在するのか」「沖縄県にのみ負担を強いる今の日米安保体制は正常といえるのか。国民の皆さま全てに問いかけたい」と述べ、国による不条理と沖縄差別を全国民で考えてほしい」と訴えた。

 最後に、翁長知事は「沖縄、そして日本の未来を拓く判断をお願いします」と裁判官を直視して訴え、意見陳述を結んだ。裁判官の心証形成のうえでもよかったと思う。

 裁判は次回の弁論が来年1月8日、次々回が同1月29日となった。
 報道で知る限り、国側の法律論、事実論はすでに破たんしていると言わざるを得ない。
 高等裁判所は被告・翁長知事の訴え、その法律論を精査し、適格な証拠論を実施すべきだ。三権分立の定めに従って、行政(国)に従属しない司法の独立性を示してもらいたい。

12月4日 13:30

Posted by terukan at 13:50
このページの上へ▲