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【憲法コラム】残忍非道な米軍属の犯罪と基地撤去の闘い

2016年05月26日

【憲法コラム】残忍非道な米軍属の犯罪と基地撤去の闘い


 元海兵隊員で極東最大の米空軍基地カデナで働く軍属による、凶悪で犯行態様が悪質卑劣な事件で、20才の若い、未来ある女子会社員の尊い命が奪われる、という犯罪が発生してしまった。

 容疑者の米軍属が緊急逮捕されて以降、沖縄では深い悲しみと強い怒りの声が高まっている。基地があるが故の、軍人・軍属が多数駐留するが故にくり返される犯罪に対し、多くの県民が全ての在沖米軍基地撤去を求める闘いに立ち上がった。

 もはや、保守革新もない。老若男女、世代を越えて怒りに燃えている。

 事件発生地から考える。

 凶悪犯罪が発生したうるま市は私が居住する市である。事件発生場所地と思われる被害者が住んでいたうるま市大田の集落は、県道沿いの一部を除き、純農村集落である。

 そのような場所で、しかもウォーキング中に襲われる。容疑者が逮捕後に自供した内容によると、後方から棒で殴り、首を絞め、ナイフで刺し、暴行のうえ殺害し、予め用意したスーツケースに入れて運び、北部の雑木林に遺棄している。

 被害女性の恐怖、痛み、悔しさ、無念を想像するに言葉を失う。ご遺族の心痛も察するに余りある。許せん。断じて許せん。毎日怒り、苦しんでいる。

 沖縄はどこに住んでいても、米軍人・軍属の犯罪被害に遭う可能性が高い。よもや、米軍人・軍属は「良き隣人」ではなく、「悪しき隣人」だ。

 「思い出も涙も、尽きることはありません」

 去る21日、被害女性の実家がある名護市で営まれた告別式に参列した。焼香を待つ斎場の外まで、父親の号泣し、絞り出すような声で参列者に無念の思いと亡き娘を語る言葉が響いてきた。嗚咽が・・・。

 自宅に戻り、会葬礼状を読んで落涙した。地元2紙でも報じられた礼状をここに書き記す。ご遺族の悲しみ、怒りを共有していただきたい。

 「思い出も涙も、尽きることはありません」一人娘の里奈は、私達夫婦にとってかけがえのない宝物でした。これは親のひいき目かもしれませんが、素直で明るくて、いい子に育ったと思っています。沢山の友達に恵まれ、好きな人と心通わせ、今が一番楽しい時期だったのに・・・。このような形で人生を終えるはずではありませんでした。

 今となっては娘の身に何が起こったのか、本人に直接話を聞くことも、にこっと笑ったあの表情を見ることもできません。今は、いつ癒えるかも分からない悲しみとやり場のない憤りで胸が張り裂けんばかりに痛んでいます。娘に私達の言葉が届くのであれば「怖い思いをしたね、後のことは心配しないで安らかに・・・」そう伝えたいと思います。

 娘島袋里奈は、享年22歳にて生涯をとじました。

 娘が私達のもとに帰ってくるまで、大勢の方が手を尽くしてくださり、また励ましの言葉も頂戴しました。これまで賜りました、ひとかたならぬご芳情に、深く感謝申し上げます。(以下、省略) 喪主島袋康秀」

【憲法コラム】残忍非道な米軍属の犯罪と基地撤去の闘い

【憲法コラム】残忍非道な米軍属の犯罪と基地撤去の闘い

【憲法コラム】残忍非道な米軍属の犯罪と基地撤去の闘い
5月24日、衆議院安全保障委員会。同日、県選出野党国会議員5人で中谷防衛大臣へ抗議の申し入れ

 在沖米軍基地撤去、日米地位協定全面改正を求める県民の闘い。

 去る24日の衆議院安全保障委員会は、本件事件について緊急集中質疑を行なった。

 私も、社民党委員として質疑に立ち、中谷防衛大臣を質し、日米両政府を追及した。私は被害女性の無念とご遺族の深い悲しみ、ウチナーの高まる怒りを共有して、かりゆしウエアの喪服姿で質疑に立った。

 私は、中谷防衛大臣に過去幾度となくくり返される米軍人・軍属の犯罪発生の度に「綱紀粛正」「再発防止」などという手垢のついた陳腐な言葉が日米両政府高官から発せられる。もはや、そのような言葉を県民は信用しない。「日本政府は、実効性のある再発防止の具体策はあるか、米軍に提示できるか」と迫ったが、答えは得られなかった。そのような具体策を日本政府は持たないし、日米同盟が重要とばかりに、米政府に強く要求する気も毛頭ない。

 県民への基地負担と犠牲の強要には鈍感で、県民の命の尊厳と安全を守ろうという真剣さは全くない。日米両政府は、米軍人・軍属犯罪の「不作為の共犯者」、第2の隠れた容疑者も同然だ。

 昨日午後、オール沖縄会議の主催による緊急抗議集会が嘉手納基地第2ゲート前で開催された。私も参加して社民党を代表して決意表明をした。県選出国会議員5人で在沖アメリカ総領事、中谷防衛大臣にも抗議した。

 今や「基地の島」沖縄は、「怒りの燃ゆる島」と化している。在沖米軍基地撤去、新たな辺野古新基地建設反対、不平等不公平で米軍人・軍属に様々な特権免除を与える日米地位協定全面改正要求、被害者遺族への謝罪と完全補償へと決起した。

 一方で、安倍政権と自民党はウチナーの怒り、苦しみを理解しようとしない。オバマ訪日への悪影響、政局や選挙への影響ばかりを心配する。全くの低次元だ。

 オバマ大統領と安倍総理の会談も、本件事件への対応は素っ気ない。

 ウチナーンチュ ウセーネー タダヤユルサンドー(沖縄の人を蔑ろにすると、許さんぞ!)

 明日、県会議員選挙が告示される。県議選では民意が必ず日米両政府の不条理を撃つだろう。

(2016年5月26日 社民党衆議院議員 照屋寛徳)

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Posted by terukan at 19:02 │憲法コラム
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